染物の洗濯方法
●染物の洗濯・乾燥・アイロン方法について
染物の洗濯・乾燥・アイロン方法について、それぞれのご注意点とワンポイントをご紹介します。
また、弊社では公益テスト機関に依頼して、染色堅ろう度(耐光、洗濯堅ろう度)の検査を行っています。
弊社染物の染色堅ろう度検査報告については、こちらをご参照下さい。
<洗う時のご注意とワンポイント>
■適量の洗剤で洗うことが大切です。
よく汚れを落とそうと大量の洗剤を使っても、標準量を使った場合以上の効果はありません。
逆に濯ぎ(すすぎ)に時間がかかりすぎる為、製品に余計なダメージを与えることになってしまいます。
■ご家庭で一般的に使用されている洗剤でお洗濯してください。
ご家庭で一般的に使用されている洗剤は、弱アルカリ性洗剤です。
中性洗剤に比べしっかりと汚れを落とせるのですが、蛍光剤配合のものが多くあり、染製品が白っぽくなる傾向があります。
頑固な汚れをとるために、塩素系や酸素系の漂白剤を使用する場合がありますが、これらは色素を分解して汚れをとるため、変色や退色の恐れがございますので、ご使用の際は特にご注意が必要です。
■水道水には塩素が含まれている為、流水を製品にあてるのは色褪せの原因になる恐れがございます。
■染製品は単独でお洗濯されることをお勧めします。
他の衣類と一緒にお洗濯しますと色移りや擦れ(コスレ)による色褪せが生じる恐れがございます。
■より良い染製品のお洗濯方法のワンポイント
・ゴミを予め取り、シミは綿生地やタオルなどに洗剤をつけて叩き落としておく。
・30℃前後のぬるま湯を使う。(化繊製品は縮んだり変色するので特に気をつけて下さい。)
・押し洗いは「軽く」が基本。繊維が水で膨張しているときに強く揉むと、絡まって元に戻らない場合がございます。
・濯ぎ(すすぎ)の水温も洗濯時と同じにする。(温度差が激しいと生地が縮む恐れがございます。)
・脱水はネットに入れて30秒ほどにする。シワになり易いものはバスタオルで水分を吸い取る程度が良いです。
<乾燥させる時のご注意とワンポイント>
■形を整え「陰干し」またはバスタオルの上で「平干し」にして下さい。
この場合、裏返しがなお良いでしょう。
日に強く当たるところに干しますと、太陽の光で変色・退色してしまう恐れがございます。
■冬季は洗濯時と温度差があるので室内で乾燥させることをお勧めします。
この場合、裏返しがなお良いでしょう。
日に強く当たるところに干しますと、太陽の光で変色・退色してしまう恐れがございます。
■濡れた生地同士が張り付いた状態で乾燥されますと色移りの原因となります。
■乾燥機は高温の為、衣服が大きく縮む恐れがございます。
また、擦れ(コスレ)により、生地がスレて色褪せの原因となりますので、ご使用しないで下さい。
<仕上げアイロンのご注意とワンポイント>
■シワをつけないよう手早くアイロンをおかけ下さい。
■化繊製品のアイロンがけは生地を溶かしたり、縮みの原因になります。
必ず綿の布を当て、アイロンの温度を下げてアイロンがけをして下さい。
●染製品・染色方法別お手入れ・お洗濯
品名 | 染色方法 | お洗濯の方法 |
---|---|---|
半纏・法被 | 引染・捺染 |
当社の半纏は、大半が引染または捺染で染めています。 ご家庭の洗濯機で20℃~40℃位の温水で洗濯して下さい。また、ほとんど色は出ませんが半天だけで洗って下さい。 漂白剤・酵素入りの洗剤は使用しないで下さい。 濃色系統は、「白さが増す」蛍光増白剤入りのもので何回も洗濯すると、白っぽくなる事があります。 ドライクリーニングもできます(汚れのひどいときは、60℃位まで温度を上げて下さい)。 |
半纏・法被 | 藍染 |
この製品のもつ風合いは、藍瓶(あいがめ)による旧来からの染色方法によるものです。 藍が落ち着くまで多くの年月を要しますので、当初は着衣や肌などに付着しますが、石鹸で落ちます。 (合成洗剤などの中には染め付きを起こす場合がありますので注意して下さい。) 洗濯は水ですすぐ程度にし、絞らずに乾燥して下さい。 漂白剤・酵素入りの洗剤等の使用は絶対にしないで下さい。 ドライクリーニングも不適です(色の落ちた風合いは年月と共に着込んで、出来ていくものです)。 |
半纏・法被 | 顔料 | 摩擦堅牢度が弱い為、洗濯は基本的に避けて軽くすすぐ程度にして下さい(PL法ができてから、アトピーの問題で少なくなりましたが)。 |
のれん | 引染・捺染 |
ご家庭の洗濯機で20℃~40℃位の温水で洗濯して下さい。 また、ほとんど色は出ませんが暖簾だけで洗って下さい。 漂白剤・酵素入りの洗剤は使用しないで下さい。濃色系統は、「白さが増す」蛍光増白剤入りのもので洗濯すると白っぽくなる事があります。 ドライクリーニングもできます・・・が、ご家庭での洗濯をお勧めします(汚れのひどいときは、60℃位まで温度を上げて下さい)。 |
宣伝のぼり | 顔料 |
日光堅牢度を重視しているので、余り洗濯には向きません。 必要なときは軽くして下さい。 |
寺社幕等 | 引染 | 当社で作成させて頂きましたものは、洗濯しますのでご相談下さい。 |
クリーニング店にご依頼される場合は、予め「反応染製品」であることをお伝え下さい(化繊製品は分散染料で染めていることをお伝え下さい)。
通商産業省 繊維製品品質表示者番号 D-HK-2001(通商産業省告示第23号繊維製品品質表示者承認規程第2条の規程に基く番号承認番号)