Column

ホーム » コラム » 日本の伝統的な染物と染色技法の種類について

2022.12.01

コラム

日本の伝統的な染物と染色技法の種類について

日本の伝統的な染物と染色技法の種類について

藍染以外にも、日本には数多くの伝統的な染物が存在します。
染色の歴史は古く、衣類や日用品など私たちの生活に深く関わりながら時代とともに染色技法も発展してきました。

そこで今回の記事では、日本の伝統的な染物の種類や染色技法について詳しく解説します。


染物の種類

水野染工場では藍染を中心に行っていますが、ほかにも染物と呼ばれるものがたくさんあります。
まず、「染物」とは白生地を織ったあとに染料で染めたものを指します。

生地にただ色を付けるのだけではなく、染料で模様を描いたり模様を付けたりするために、様々な染色技法が生み出されてきました。

着物に様々な種類の模様があることからも分かるように、特に染色技法が発展したと言われているのが江戸時代。
染物ひとつからその時代の流行や人々の生活様式までもが見えてきます。

ここでは、伝統的な染物の種類についについてご紹介してきます。

染物の種類 1:友禅染め

染物の種類1:友禅染め
現代でも有名な技法染色の技法の一つで、職人が布の上に絵を描くように多彩な色で表現する染色方法です。

草花など自然の風景を描かれていることが多く、予め布に入れておいた下絵の輪郭に沿ってのりを塗り、防染したあとに筆や刷毛を使って色付けをしていきます。

京都で作られるものを「京友禅(きょうゆうぜん)」、石川県の金沢で作られるものを「加賀友禅(かがゆうぜん)」、東京で作られるものを「東京友禅(とうきょうゆうぜん)」と言います。

染物の種類 2:江戸小紋

染物の種類2:江戸小紋
江戸時代、諸大名が正装として着用した裃(かみしも)の染めに由来する小紋で、後に女性も利用するように。
基本的には単色で、型紙を使って染めるのが特徴です。

遠目からは一見無地のように見えますが、近くに寄ると精緻な柄を見ることができます。

染物の種類 3:更紗染め

染物の種類3:更紗染め
インドが起源とされている文様染めで、沢山の型紙を使い刷毛で染料をのせながら模様を作りあげていく技法です。
完成するのには時間がかかりますが、異国的な色模様が美しく、現在では着物や帯、ふとん、風呂敷などに使われています。

染物の種類 4:琉球紅型染め

琉球紅型染め
南国特有の色鮮やかな色彩が目を引く、沖縄県に古くから伝わる伝統的な染物です。
琉球王国時代、主に貴族の衣装として染められていたものが始まりと言われており、現在では伝統的な琉球衣装や、お土産物屋さんに並ぶ小物などで見ることができます。

染物の種類 5:有松・鳴海絞り

染物の種類5:有松・鳴海絞り
愛知県有松・鳴海地方で栄えた絞り染め技法で、手ぬぐいの「板締め豆絞り」の始まりといわれています。
江戸時代に尾張藩による藩の特産品として盛んとなり、最盛期には100種類以上もの模様が存在しました。

様々な糸のくくり技法やその組み合わせ、雪花絞りなどによる多彩な模様など、その模様の豊富さは世界一と謳われ、海外でも「SHIBORI」といえば有松絞りを示すほどです。

栄えた江戸時代には東海道を往来する旅人のお土産としても好まれ、またあの葛飾北斎や歌川広重らの浮世絵にも度々描写されています。

日本古代の染色技法、三纈(さんけち)の一つでもある「纐纈(こうけち)」は「絞り染め」の技法で、糸や紐を用いて生地を絞ったり縫い絞りしたりする防染技術は現在でも愛知の「有松絞り」が有名です。

染物の種類 6:出雲藍板締め

絵柄を彫った、正面と反転した版木に布を挟み藍染料に浸染または注ぎ染めした技法。
「板締め」は、日本古代の染色技法、三纈(さんけち)の一つ「夾纈(きょうけち)」であり、防染糊などが開発される以前の技術です。

もともとは中国の唐から伝わったとされ、奈良の正倉院宝物に保存されている布にも夾纈(きょうけち)の技法がいくつも散見されています。

布を染める為の版木を彫るなどの技法は、しばらく技術として進歩しなかった時期があるものの、江戸時代に入ると浮世絵などの印刷技術が進歩し、また藍染と木綿栽培が盛んとなった頃に板締め技法が復活しました。

出雲地方では嫁入り道具として家紋入りの風呂敷を持たせる風習があり、その技術はさらに進化していったのですが、後に友禅や型染の技法が台頭してくると次第に廃れていきました。

現在では「板締め絞り」として一部の技法が受け継がれ、現在の出雲地方では「筒書き藍染」が主流となっています。

染物の種類 7:辻が花(辻ヶ花)

絞り染めを主体とし、さらに描絵、刺繍、摺箔などを加飾した技法です。

町衆が着る衣として室町~江戸初期の短期間に隆盛した後、友禅などが広まると急速に廃れて消滅。
現存する遺品数は全国でも300点足らずとされており、「幻の染物」ともいわれています。

なぜ名前が『辻が花』なのかは定かではなく、謎が多く残る染物です。

染物の種類 8:ろうけつ染

日本古代の染色技法、三纈(さんけち)の一つ、「臈纈(ろうけち)」であるろうけつ染め。

溶かした蝋を筆にとって生地に模様を描き、その上から染料で染めていきます。
蝋による防染で書いた部分は染まらず、それ以外の部分に模様が出来上がってくる防染技術です。

インドから中国を経て日本に伝わり、平安時代頃までよく使われていましたが、遣唐使廃止により道具としていた蜜蝋が輸入されなくなったことから一時期途絶えてしまいます。

後に友禅染めとして用いられるようになり、復活しました。

染物の種類 9:柿渋染

柿を未熟な青柿のうちに採取し、粉砕、圧搾して得られる渋液を染料にしたもの。

浸染や引染めなどで染めると橙~茶系の色味に。
色素成分のタンニンによって、年月とともにどんどん色味が強くなっていくのも特徴です。

高い防水・防腐・防虫効果を持つため、古くから布以外にもよく使われてきました。
ちなみに型染の道具である渋紙は、柿渋と和紙を層にして出来た物です。

染物の種類 10:草木染め

染物の種類10:草木染め
植物の葉、花、皮や昆虫などから色味を抽出する天然素材を染料として浸染などで染める技法。
媒染液(アルミニウム・銅・鉄・ミョウバン)を使うことで繊維染着を良くし、染色濃度を上げます。
草木染は媒染液によって、色味が多様に変化します。

染物の染色技法の種類

染物の染色技法の種類
一般的には布を染料に浸して色を付ける「浸染」が知られていると思いますが、染色の技法は他にも様々なものがあります。
ここでは代表的な染色技法をご紹介します。

染色技法の種類 1:硫化染め

綿素材などセルロース繊維に使われる染め方です。

硫化ナトリウムを加えた溶液の中へ硫化染料を入れて60~70℃で加熱し還元させ、溶かして使用します。
化学的な藍染として普及しましたが、黒・紺・緑・鼠などと、色数は限定されます。

染色技法の種類 2:注染

一反(約11メートル)の生地を畳みながら防染糊を型付けしていき、染料を上から注ぎ込むことから注(そそぎ)染といわれています。

染料をかけ合わせることによってグラデーションなどの模様を出すことに優れ、主に浴衣や手ぬぐいの染色に用いられる技法です。

染色技法の種類 3:顔料捺染

顔料とは、着色に用いる粉末で水や油に不溶の物の総称をさします。
固着剤を使い、繊維の表面に顔料を付着させてデザインを表現する技法で、企業の名入れタオルや、横断幕や幟(のぼり)など、多くの布製品に使われています。

染色技法の種類 4:昇華転写

ポリエステル生地の染色に使われる分散染料を応用し、気化しやすい昇華タイプのものを使用してデザインを生地に染み込ませていく方法。

パソコンで作成したデザインをインクジェットプリンターで転写紙にプリントし、それを高温でプレスまたはロールで生地に染色します。
Tシャツや帽子などの布製品のほか、陶器やガラスなど様々な素材にプリントできるのが特徴です。

伝統的な藍染をもっと近くに

伝統的な藍染製品を取り扱う水野染工場「日比谷オクロジ店」
- 世界中を、感動で染める -
水野染工場では印染商品を中心に、図案から染色、縫製までを一貫して制作。様々な伝統技法を用いて、お客様の「想い」に寄り添う商品をひとつひとつ、心を込めて染め上げます。

日比谷オクロジ店

水野染工場「日比谷オクロジ店」は2店舗あり、1号店では藍染体験やリメイクを、2号店では手ぬぐいや藍染アイテムを販売をしています。手ぬぐい、のれん、半纏・法被、旗など、印染製品のオーダーメイドを直接ご相談いただけます。
ぜひ染物をお手に取ってご体感ください。
    水野染工場「日比谷オクロジ店」
  • 〒100-0011 東京都千代田区内幸町一丁目7-1 JR高架下
  • ・JR有楽町駅 日比谷口 徒歩6分
  • ・JR新橋駅 日比谷口 徒歩6分
  • ・東京メトロ銀座駅 徒歩6分
  • ・東京メトロ日比谷駅 徒歩6分
  • ・都営地下鉄内幸町駅 徒歩5分

藍で人と自然を結び、藍で人と人が繋がり、藍で楽しむ

藍染体験ができる「藍染結の杜」
- 世界中が、藍を楽しむ -
自然豊かな美瑛町で、原料となる藍の栽培から藍染を行い、人と自然を藍で結びたい。そして美瑛町の景色にある美瑛ブルーと藍染の色合いが重なり合い、伝統的な美しさを新しいカタチで表現していきます。

藍染結の杜

藍染結の杜には、藍染体験(予約制)、各種藍染製品のショップ、藍茶が飲めるカフェがあります。
北海道美瑛町の絶景を一望できる丘が敷地内にあり、写真スポットとしてもお勧めです。
<
    藍染結の杜(あいぞめゆいのもり)
  • 〒071-0474 北海道上川郡美瑛町字拓進(拓真館前)
  • ・JR美瑛駅から車で約15分、レンタサイクルで約40分​
  • ・旭川空港から車で約30分
  • ・JR旭川駅前から車で約45分

各種印染製品のオーダーメイドについて

水野染工場では、半纏(法被)、暖簾、大漁旗、幟、社旗、旗(フラッグ)など、各種印染製品のオーダーメイドを承っております。
>>商品一覧を見る
オーダーメイドに関するご相談は下記よりお願いいたします。

関連商品・おすすめ商品

コラムを商品別で探す

お客様からの口コミ

その他の口コミを見る

★★★★★

2024.09.24

縦400×横500、テトロンポンジ生地よさこい旗

豊富なカラーバリエーションと丈夫な生地。
全国のお祭りに一層の彩りを與える事間違いありません。

★★★★★

2024.07.29

★★★★★

2024.07.29

★★★★★

2024.05.07

★★★★★

2024.04.10

四国三大祭り「新居浜太鼓祭り」を盛り上げる約50台の太鼓台(山車)のひとつ長野太鼓台の旗や幟は水野染工場さんにな発注させて頂いております。これまで製品は全て満足できる仕上りで、迅速で丁寧なご対応をいただいております。

★★★★★

2024.03.15

丁寧な接客に満足(^^)してます。

★★★★★

2023.08.04

手ぬぐいの種類が豊富です。

★★★★★

2023.07.28

★★★★★

2023.07.03

今年の3月に娘のソフトボール部の先輩に送るためにユニフォームベアを購入しました。あまりのかわいさに、我々現3年も購入してしまいました。
先輩達にも大変喜んでもらえたのですが、残念ながら写真を撮ることが出来ませんでした。
先日娘達にも、最後の試合前にユニフォームベアを渡しました。最後の試合は負けてしまいましたが、一緒にいい写真が撮れました。
とても喜んでくれたので、本当にここでお願いして良かったと思います。ありがとうございました♪

★★★★★

2023.06.26

結婚式のお祝いに大漁旗を注文しました。披露宴のスピーチ途中でぱっと広げたところ、皆さんビックリされて大受けでした!
完全オリジナルデザインですが細部まで正確に仕上がり、ぼかし具合も絶妙で大満足です。

★★★★★

2023.03.28

店舗用の暖簾を作成して頂きました。暖簾はお店の顔なので安価な印刷物では無く染物が良かったのでこちらにお願いしました。生地、裏まで染まった文字は良い風合いがあり大変満足しています。値段も納得のいく価格で提案、やり取りもスムーズでした。

★★★★★

2023.02.28

★★★★★

2023.02.13

卒団の記念で作成していただきました。
出来上がりのレイアウトを送っていただき、細かい部分の修正も快く引き受けてくれたり、生地のサンプル品も送っていただいて、要望通りの作品となりとても満足してます!

★★★★★

2023.02.13

2023年1月にアメフトチームの旗(4.5M×3M)を注文させていただきました。(ご参考までに、伸縮ポールと合わせて13万円程度。)
ご対応も、品質も、大満足でございます。

納期に関して随分とわがままを言わせていただいたのですが、何とか間に合うようにと、超特急で作成いただき、大変感謝しております。
最初にお電話でご相談させていただいたのが1月20日(金)。
発送を頂いたのは翌週の1月25日(水)。
東京で受け取ったのが1月27日(金)。
と大変スムーズなやり取りでした。
これから旗を作成されるご予定の方は、水野染工場さん、とてもおすすめですよ!

私たち川崎グリズリーズは、JPFFというアメフトリーグで、11年ぶりの東日本大会優勝がかかった試合に臨むところでした。
チームを盛り上げるために、思い切って大きな旗を作成いたしましたが、そのおかげもあってか、無事優勝することができました。
ありがとうございました!

★★★★★

2023.02.06

ユニベアを注文しました。
とても丁寧な対応をして頂き、商品も想像以上の素敵な仕上がりで大満足です。
早くて安く本当に感謝の気持ちでいっぱいです!また、何かありましたら
是非お願いしたいです。
ありがとうございました☆

★★★★

2022.11.15

店員さんの対応が親切で大変良かった。
何回か動物マスク買いに行くたびに、店員さんの対応に感心します。

★★★★★

2022.11.02

主人の還暦祝いに、お客さん達からのプレゼントにこの大漁旗を選びました。色あざやかでとても素敵な贈り物ができました。ありがとうございます( ´ー`)

★★★★★

2022.10.20

ミニバスのチーム旗をご制作頂きました。
旗が完成するまでの間、担当の保護者さんと何度も何度もやりとりして頂き、とても素晴らしいチーム旗を完成させて頂きました。
チーム関係者一同、心より感謝しています。この先、ずっと何年も子供達を励まし続けてくれることと思います。
本当に有難うございました。

★★★★★

2022.09.25

本当に丁寧な説明、早い納品、どれを取っても素晴らしい対応ありがとうございました!

今後、日除け幕だけではなく暖簾の検討もしたいなと思ってるのでまたよろしくお願いします!!

★★★★★

2022.09.17

先日、よさこい旗の製作を注文しました。
私の下手くそな手書きのイメージ画からデサインを起こして頂き、何度も手直し修正のご対応にお付き合いして頂きました。
お陰様で、イメージ以上に素敵な旗が出来上がり、大変満足しております。
今回で2回目の注文でしたが前回以上に満足しております。

★★★★★

2022.07.30

のれんを作って頂くのが初めてで色々不安もありましたが、お店の対応も良く出来上がりは綺麗な藍染めで、生地の感触もよく喜んでいます。
ありがとうございました。

★★★★★

2022.07.21

暖簾も印半纏も素晴らしい仕上がりでした
角字も対応していただけます

★★★★★

2022.06.07

手拭いですボトル包みは勉強になりました。
手拭いでお客様や大切な人にお渡しできるシリーズを見たいです。平成29年岡崎さんに緑が丘グリーンボーイズ野球少年団旗をお世話になった大木と申します。今団旗のタオル版検討中です。
あと、他の団体の方にも口コミしました。

★★★★★

2022.05.06

水野染工場さんには店舗幕の制作中とても親切に対応していただきました。完成品はこちらの要望以上で満足しています。
アフターサービスも申し分なく、とても感謝しております。
工芸ギャラリー邁

★★★★★

2022.02.23

自分用と贈答用でお世話になりました。
デザインや生地選び、染め方など、素人の私が理解できるくらい丁寧でした。
初めてお願いしたのが、水野染工場さんで本当に良かったです(*^^*)
大満足です☆

★★★★★

2022.01.06

デザインの構成画について色々と相談、修正の対応をしていただきました。
何度でも色んなパターンで作成して頂けたのがよかったです。
お陰様で、思っていた以上の素敵な横断幕を作成していただきました。
ありがとうございました。

★★★★★

2021.12.26

丁寧に相談にのっていただきました。とても品質も良く大満足です。

★★★★★

2021.10.01

最近は旭川土産として、動物マスクを買わせて頂いてます。

★★★★★

2021.08.30

思っていたより少し明るい色でしたが、お店に合っていてとても気に入りました。
素敵な暖簾に仕上げてもらって、緊急事態が終わり営業再開するのが待ち遠しいです。
ありがとうございました!

★★★★★

2021.07.27

今回で2回目の注文をさせて頂きました。
伊豆の漁師たちの間でも評判が良く
噂通りの対応の良さと品質の良さに
驚きと感謝しかありません。
友人の新船祝いにプレゼントし
大変、喜んで頂きました!
毎回不慣れなイメージデザインに
丁寧に対応していただき
そして、お手伝いまでして
頂きありがとうございました。
またご利用できる機会がありましたら
是非!よろしくお願い致します。

★★★★★

2021.07.21

息子が誕生日した記念に両親からプレゼントしてもらいました。
一生モノの素敵な大漁旗、大満足です!!

★★★★★

2021.06.24

娘が動物マスクのお気に入りなので
新たに購入しました。

こちらの手違いでサイズを間違って購入したのですが、
敏速丁寧に対応いただきました。

★★★★★

2020.04.29

手作りマスクのこと、電話で問い合わせ。丁寧に応対して頂く

その他の口コミを見る

友だち、仲間とこのページをシェアできます。

年月別アーカイブ